令和7年6月8日 新潟市新津美術館


新潟市秋葉区蒲ヶ沢109番地1 新潟市新津美術館
3月25日ー6月8日 new born 荒井良二「いつも しらないところへ たびするきぶんだった」
 

 新潟市新津美術館は、新潟県立植物園、古津八幡山古墳、弥生の丘展示館、新潟県埋蔵文化財センター、新津フラワーランドと共に「花と遺跡のふるさと公園」内にあり、ラッセル車を模した独特の外観をしています。企画展の展示室は正面階段を上がった2階にあります。

 荒井良二は、絵本“も”作っているので、絵本作家という肩書きで呼ばれているそうです。しかし今回の展覧会では、絵本の原画は勿論のこと、色々な造形物や屋台のようなものまで展示されており、制作コンセプトも作品ごとに様々でした。

 展示会場のデザインは、作家自身が考えたそうです。全体的に一貫性はなく、なんだかひどくとっ散らかったような感じではありましたが、作家の幅広い創作活動によって生み出されてきた多様な作品群を、作家の特性も併せて俯瞰して見るときに、こういう展示の仕方も面白いなと思いました。
 気に入った作品は、「きょうはそらにまるいつき」という絵本で、各ページの原画が並べられていました。街の人が、それぞれにとっての日常や特別な時間を過ごしているとき、ふと見上げた夜空にまんまるに輝く月が浮かんでいる、という、瞬間瞬間を切り取ったような内容になっていて、なんというか、優しく穏やかな気持ちになれるような作品でした。それにしても、この作家の作品の色使いは、時々マルク・シャガールのそれに似ているような気がしています。私はシャガールの絵がすごく好きなので、そんなところにもこの作家への好感が高まった気がします。

 新津美術館は、令和8年3月末までの予定で、改装工事のため休館になりました。お気に入りの美術館なので、長い休館になるのはちょっと残念です。

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