新潟県上越市本城町7-1 小林古径記念美術館
3月22日ー6月22日 生誕110年 濱谷浩展「人間と風土をみつめて」
著名な日本画家の名を冠した小林古径記念美術館は、上越市高田城址公園内にあるこぢんまりとした美術館で、古径の作品は勿論、上越市に所縁のある作家の作品を中心に、様々な展覧会を行っています。

写真家・濱谷浩(はまやひろし)のことを私は知りませんでしたが、発展する東京とはまるで違う日本海側の人々の暮らしを撮影、発表して反響を呼び、海外でも高く評価されているそうです。展覧会では、戦前から戦後にかけての越後に暮らす人々の暮らしを撮影したモノクロ写真集「雪国」の作品を中心に、海外での撮影記録や自然を写したカラー写真も展示されていました。
こういう写真を見ていると、やっぱり昔の新潟の雪はとんでもないなぁ、と思います。まぁ、現代でも時々災害級の雪が降る年はありますが、昔はそれが毎年普通のことだったわけですから。当時の人は、辛さを口にしながらも厳しい自然と上手に付き合って、独特の文化も育んでいったわけで、ただただ、大したもんだなぁ、と感心します。
今やそんな文化の殆どは廃れています。何につけても便利な現代社会のありがたみを感じつつ、記録の中に垣間見るありし日の人々の暮らしが、なんだかひどく懐かしく、魅力的に感じるのは不思議なものです。