5月上旬、愛宕谷公園と、春日山の大手道、権現堂、春日山城本丸、春日山神社周辺を歩きました。
5月中旬、春日山の大手道から岩木三叉路に向かう山道を登り、権現堂、南三の丸を経由して、大手道を下るルートを歩きました。また別の日に、滝寺不動と滝寺毘沙門堂に行きました。
5月下旬、春日山の大手道を進み、南三の丸、権現堂へ立ち寄って南三の丸へ引き返し、柿崎屋敷、景勝屋敷を経由して本丸に至り、二の丸を経由して春日山神社へ下りました。
以下の動植物を観察しました。
ハルジオン ヒメオドリコソウ トキワハゼ カキドオシ オオカメノキ
ホウチャクソウ タニギキョウ ムラサキケマン ツボスミレ エンレイソウ シャガ タチツボスミレ ムラサキサギゴケ エゾタンポポ フジ
タニウツギ タネツケバナ スミレ ヤブヘビイチゴ ヤブニンジン
ヤマツツジ ウゴツクバネウツギ オオイワカガミ オオイヌノフグリ
ヒメヘビイチゴ ノミノフスマ ハナニガナ ニガナ コナスビ サワハコベ
キツネノボタン ヘビイチゴ キランソウ ミズキ ヒメハギ オオジシバリ
カタバミ ミミナグサ ノアザミ スイバ マムシグサ シロツメクサ
キリ オニタビラコ オオハナウド オオバコ イヌガラシ エゴノキ
アカヌマベニタケ ササユリ エゾアジサイ ガマズミ トウバナ ツメクサ
ダイコンソウ ツルアリドオシ ヤマボウシ コマツナギ ヤマブキショウマ キオン ドクダミ
モンシロチョウ ウスアオエダシャク ハルゼミ ベニシジミ
ウスバシロチョウ マガリケムシヒキ ヒメウラナミジャノメ ムネアカオオアリ
カラスアゲハ フキバッタの仲間 ヤマトシリアゲ セダカバエ科の一種
ルリタテハ オオカマキリ シオカラトンボ クロマルハナバチ モンキアゲハ
シュレーゲルアオガエル モリアオガエル
カナヘビ
ホオジロ アオジ キジバト ウグイス ヤマガラ ヤブサメ
センダイムシクイ エゾムシクイ ヒヨドリ カルガモ サンコウチョウ
ハシボソガラス サンショウクイ ムクドリ ツグミ メジロ キビタキ クロツグミ ビンズイ アオゲラ シジュウカラ コゲラ ツバメ イカル
ホトトギス コサメビタキ カワラヒワ ハシブトガラス アオバト
ゴジュウカラ
5月上旬、ゴールデンウイークの前半はあまり良い天気ではなかったですが、終盤はよく晴れて気温も上がりました。木々の緑が濃くなり、林床に射す光が少なくなったせいで、花は林縁や山道、草むらなどの日当たりの良いところにばかり咲いています。蝶や蜂も、明るい陽光の下で花蜜を求めて飛び回っています。
景勝屋敷の下、御成街道の入り口に立つミズキが花を咲かせていました。この木にはヤマガラがよくやってきます。野鳥は秋に実るミズキの果実が好きみたいで、秋になるとたくさんの野鳥で賑わいます。人間は、木材として利用することはあっても、果実は食用にしないようです。

春日山城本丸のすぐ下(春日山神社側)でヒメハギが咲いていました。うっかり見落としてしまいそうな丈の低い花ですが、なかなか面白い形をしています。イー薬草・ドット・コムでは、ヒメハギの根に中国のイトヒメハギの根から作られる生薬・遠志(おんじ)と同じ薬効成分が含まれていて、滋養強壮、疲労回復、病後の回復に効果が期待できると紹介されています(2)。

マムシグサは、明るい場所よりは薄暗い林床に咲いていることと言い、形や色合いと言い、怪しい雰囲気を漂わせる花です。しかも毒草となればいよいよ気味悪いわけですが、イー薬草・ドット・コムでは、根茎が天南星(てんなんしょう)という生薬になると紹介されています(2)ただ、使い方を誤れば危険な代物なので、民間での使用は避けるべきです。

直江屋敷の近くでは、スイバがたくさん咲いていました。今ひとつ華やかさに欠ける、わりとありふれたタデ科の植物です。そんな身近に生えていることもあってか、名の由来となった酸味を生かして食用にされるようです。また、イー薬草・ドット・コムによれば、根茎を乾燥させた酸模(さんも)という生薬が便秘、胃内出血、排尿困難の治療などに使われるようです。さらには、スイバには抗がん物質が含まれているという話まであるようです(2)。
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見かけによらず食用に、薬用にといろいろ便利に使われるスイバですが、よく観察すると、雌株と雄株という違いがあることに気づきます。
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花の形も全然違って、雄花はいかにも花らしい形ですが、雌花はイソギンチャクのような奇妙な形をしています。
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ちなみに、雌株にできた果実はうちわみたいな平たい形。
スイバはベニシジミにとっても幼虫の食草となる大切な植物なのだそうです。そういえば、近くでベニシジミが飛んでいました。
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虫といえば、マガリケムシヒキという昆虫を見つけました。スマートなシルエットで、これはメスですね。それにしても奇妙な名前ですが、「マガリ・ケムシヒキ」なのか、「マガリケムシ・ヒキ」なのか、どこで切るのだ、と思ったら、「マガリケ・ムシヒキ」なのだそうです。漢字で書けば、「曲毛虫引」。「マガリケ=曲毛」って何かといえば、後頭部のカールしている毛のことなのだとか。
マガリケムシヒキを含むムシヒキアブ科の昆虫は他の昆虫を襲う肉食性で、この時も獲物を探していたのかもしれません。
5月中旬、中正善寺三叉路のすぐ下にある池では、モリアオガエルの「ココココ」という鳴き声があちこちから聞こえていますが、姿はまるで見えません。姿は見えなくても、鳴き声のほかに、活動の痕跡が見つかりました。

泡が固まったモリアオガエルの卵嚢が、池の水の上に張り出した木の枝についていました。クロサンショウウオが卵を産むなら、モリアオガエルにとってもこの池は格好の産卵場所です。この卵塊が作られてから1週間程度でオタマジャクシが孵って、水の中に落ちていくそうです。それにしても、モリアオガエルもよく広い山の中でこんな小さな池を見つけるものだと感心します。
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滝寺不動と滝寺毘沙門堂では、ヤマトシリアゲという昆虫がたくさん飛んでいました。シリアゲとは妙な名前の昆虫ですが、オスの尾の先端がサソリのように巻き上げてられているので、そのような名がついたようです。写真の個体はメスで、オスの写真は撮り損ないました。死んだ虫の体液が餌なのだそうですが、死んだ虫なんてそんなにたくさん転がっているのでしょうか。

滝寺不動で、セダカバエの一種を見つけました。体長は5〜10 mm程度しかなくて、胸部が高く盛り上がり、後肢が異様に太い、変なハエだな、ということで目に止まりました。他の昆虫を襲って食べる肉食のハエだそうですが、いやいや、これに襲われる昆虫って、どれだけ小さいんだか、って感じですね。太い後肢は獲物を襲うのに好都合なのかもしれません。
5月下旬、日中の気温がだいぶん高くなってきました。山を歩くと結構汗をかきます。
大手道でササユリを一株見つけました。新潟県版レッドデータブックでは絶滅危惧 II 類とされています(3)が、春日山では保護活動が行われています。大きくて白くて目立つので、乱獲の被害に遭いやすいようです。


そのササユリの葉に、ルリタテハの幼虫がはりついていました。毛虫嫌いの人が見たら悲鳴を上げそうですね。ですが、ルリタテハは夏に成虫になる美しい蝶で、ユリの仲間が幼虫の食草になります。幼虫は見た目は恐ろしげですが、毒はありません。
ササユリが咲いているすぐそばに、ハラタケ目ヌメリガサ科アカヤマタケ属のキノコが生えていました。直径2 cm 程度の小さなキノコですが、その鮮やかな色でやたらと目立ちます。キノコは秋に発生するイメージですが、こんなふうに夏前から発生する種もあります。食べられるかどうかは定かでないようです。


さらに大手道を進むと、ガマズミの花にオオカマキリの幼虫がいました。複眼も触角もカマも花粉まみれになっています。カマキリは肉食ですから花粉は食べないでしょうが、花の一部にカモフラージュしているのでしょうか。小さくても眼光の鋭さはもういっぱしの捕食者然としています。
大手道の途中にある番所阯のそばに植えられているサクラが実をつけています。黒く熟したものもあり、ヒヨドリあたりの鳥にとっては食べ頃だろうと思っていましたが、ガツガツ食ってる鳥はいません。想像したほど鳥には人気がないのでしょうか。それとも、食べ頃にはまだ早いのでしょうか。

南三の丸では、ツメクサが咲いていました。漢字で書くと、「爪草」。「白詰草」と書くシロツメクサとは全く別の植物です。小さくて可愛らしい花ですね。


南三の丸に生えているイヌガラシでは、モンシロチョウが産卵していました。キャベツやブロッコリーに産卵すれば害虫扱いされますが、野の草花ならば問題なしです。

権現堂に続く尾根筋で、クロマルハナバチがヤマツツジの花に花粉集めに来ていました。花から花へ忙しなく飛び回るので、写真を撮るのはなかなか大変です。マルハナバチもクマバチも、見た目のインパクトの強さと羽音の大きさで誤解されがちですが、攻撃性はほとんどありません。マルハナバチは英語でバンブルビー(bumble bee)です。名前まで可愛らしい、愛すべき蜂です。
同じ尾根筋で、ヤマボウシの花が咲いていました。秋に実る果実は、甘くて生食でき、果実酒にも利用できるようです。春日山に生息する動物たちにとってもよいご馳走になるのでしょうね。

景勝屋敷の近くの薄暗い林床に、ヤマブキショウマの花が咲いていました。初め、トリアシショウマだと思いましたが、よくよく観察してヤマブキショウマに落ち着きました。ヤマブキショウマはバラ科ヤマブキショウマ属、トリアシショウマはユキノシタ科チダケサシ属ですから、まるで別の植物なのにそっくりなので、よく観察しないと間違えてしまいますね。

参考資料
- 各種図鑑
- イー薬草・ドット・コム(http://www.e-yakusou.com/)
- 新潟県ホームページ「レッドデータブックにいがた」
(https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kankyotaisaku/1214240790991.html)

